足の臭いを始めとした体臭は誰もが気になるところではありますが、デリケートな悩みゆえになかなか相談することが難しい問題ですよね。
また、2019年にせんたく便が行った調査では、20~50代の働く女性のうち70%以上が自分や他人の足の臭いが気になったことがあると回答しています。1日中靴を履きっぱなしになることが多い方は、どうしても足の臭いが発生しやすいのです。
特に今の時期、厚手の靴下やブーツを履く機会が増え、臭いに悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、なぜ靴を履いたままでいると足の臭いが発生しやすいのでしょうか。
今回のコラムでは、そんな足の臭いの原因と対策についてご紹介していきます。
気になる足の臭いの原因は?
足の臭いが発生するしくみ
足の臭いの原因は、「イソ吉草酸」という物質です。特定悪臭物質に指定され、納豆などにも含まれています。また、「イソ吉草酸アルデヒド」も臭いの原因であると2015年にロート製薬が発表しています。
これらの悪臭のするガスがなぜ足に発生してしまうのでしょうか。
そのしくみには、雑菌(皮膚にいる常在菌)と皮脂・汗・垢が関わっています。
皮脂・汗・垢は分泌されたばかりのときは無臭です。しかし、分泌されてから時間が経過すると、常在菌がそれらに含まれるタンパク質・アミノ酸を酸化、分解します。その際に「イソ吉草酸」「イソ吉草酸アルデビド」が発生することで臭いが発生するのです。
また、汗腺のひとつであるエクリン腺は足の裏に特に多いといわれており、なんと背中や胸の5~10倍もあります。よって、足は汗をかきやすい場所のなのです。
このしくみが発生しやすい状況として以下の3つが挙げられます。それぞれの要因も併せてご紹介します。
古い角質など、足に汚れがたまっている
角質・垢が足にたまっていると、常在菌による酸化・分解作用の材料がたまっている状態になります。指先やかかとは特に汚れが残りやすい場所です。
長時間、靴や靴下を履いて密閉する
足の裏は特に汗腺が多いことから。汗をかきやすい場所ですから、靴や靴下で足が密閉されていると湿度が上がります。
常在菌に関わらず、細菌は湿気が高いと繁殖しやすくなるため、臭いが発生しやすくなります。また、毎日同じ靴を履くと、靴の中にも雑菌が増えて靴自体が臭くなることも。
疲労やストレスがたまっている
例えば、緊張したときに汗をかいた経験はありませんか。
ヒトはストレスを感じると戦うための闘争反応・逃走反応を高める交感神経が優位になり、汗腺を活発にするのです。そのため、ストレスがたまると汗をかき、臭いにつながりやすくなります。
また、疲労がたまると足の臭いが発生する仕組みとは別に「疲労臭」と呼ばれる臭いがすることがします。この原因は、タンパク質を分解するときに発生するアンモニアの臭いです。
本来ならばアンモニアは体外に排出されますが、疲労がたまっている状態では免疫力が低下してアンモニアが排出されずに体内に残ってしまうことがあります。その場合、血液に乗って全身をめぐり、汗や皮脂に含まれた状態で分泌されることで臭いとなります。
引用元:ダ・ヴィンチニュース「女子も注意!? ストレスで足が臭くなる! /【下半身にまつわるちょっと残念な雑学】②」
疲労やストレスがたまっている場合には、しっかり休む、ストレスを発散する、体調を整えることが必要です。
日常生活でできる足の臭い対策!
足の臭いが発生しやすい状況として以下の2つご紹介しました。
- 古い角質がたまるなど足に汚れがたまっている
- 長時間、靴や靴下を履いて密閉する
それぞれの状況に合わせた対策をご紹介します。対策を並行して行うことで、より効果的に足の臭いを抑制できる可能性があります。足の臭いが気になる方はどちらも行うことがオススメです。
足のニオイ対策は「清潔にする」こと!
足を清潔にする方法の前に、常在菌や角質がカラダに悪いものではないことをご紹介します。
そもそも常在菌や角質はわたしたちの健康を保ってくれる存在です。以下に簡単に役割についてご紹介します。
常在菌:皮膚を弱酸性に保つことで外的ストレスから皮膚を保護する役割
角質 :外部刺激から肌や体を守る「バリア機能」
肌内部の水分を保つ「保湿機能」
大切なのはバランスを保つことです。
常在菌が増えすぎたり、古い角質や垢がたまりすぎたりすると、臭いや肌トラブルにつながってしまいます。しかし、過度に清潔さを追求しすぎても肌トラブルにつながる可能性もありますので、適度に行ってください。
引用元:東京医療保健大学「皮膚の常在細菌について」
それでは、本題に入りましょう。
お風呂での足の洗い方
指先までたっぷりと泡で包み込むようにして洗いましょう。泡が汚れを吸着してくれるため、しばらく泡がついたまま待ちます。洗い流すときは、足指の間まで丁寧にすすぎましょう。
また、洗面器にアルカリ酸の重曹をお湯に溶かすことで、角質ケアにもつながります。短時間で試して、肌に合うかどうかを試してから行うようにしてください。詳しい方法が知りたい方は以下のリンクからご覧ください。
→NHK「健康な足を取り戻そう きれいな足を保つ日常ケア」
足の角質ケア
足裏~かかとは肌が厚くなりやすく、古い角質がたまりやすい状態になっています。さまざまな角質ケアアイテムが販売されているので、自分に合ったものを探してみましょう。
そもそもなぜ古い角質がたまってしまうかというと、足の肌のターンオーバーがうまくいっていない可能性があります。原因として以下のことが考えられます。
- 足裏には皮脂腺がないために乾燥しやすい
- 摂取する栄養バランスに偏りがある
特に足裏は体重を支えるだけでなく、歩行・ジャンプなどの衝撃にも耐えられるようにもともと角層が厚くなっています。ターンオーバーの周期もおよそ120日と長いことからより古い角質がたまりやすくなっています。
引用元:@Living「実は削っちゃダメ!かかとの角質を除去してはいけない理由」
そのため、角質を取り除くやすりなどのアイテムとターンオーバーを促進する保湿アイテムのどちらも試してみるのがオススメです。
ただし、角質を取り除くアイテムの使用はやりすぎないことが大切です。先ほどもご紹介しましたが、角質を取りすぎてしまうとより乾燥してしまう可能性があります。商品の説明書などに記載されている使用頻度を守って使用しましょう。
足の爪をこまめに切る
爪には、古くなった角質である爪垢がたまることがあります。爪と指の間の黒や白い垢を見たことはありませんか。
爪が長いと、爪垢がたまる面積が増えることになるため、雑菌の繁殖につながります。特に、足の親指の爪は湾曲しているため、伸びたままにすると両端に垢がたまってしまいます。
また、巻き爪傾向にある方は特に汚れがたまりやすい傾向にあります。この場合には、爪ブラシや爪垢取りなどのアイテムを使用しましょう。ゴシゴシ擦ってしまうと皮膚を傷つけてしまうこともあるので、丁寧に優しく行ってください。
引用元:美プロ+「手や足の爪が汚れる原因は?汚れを落として綺麗な爪を保つ方法」
靴のニオイ対策は「同じ靴を履き続けない」こと!
同じ靴を毎日履き続けると、足だけでなく靴の内部も密閉状態となります。毎日それを続けることで、靴の内部にも汗や汚れが染みこみ、雑菌が繁殖してしまいます。一度、靴の内部に雑菌が繁殖してしまうと、なかなか臭いの元を取ることは難しいでしょう。
そのため、1日履いたら1~2日ほど靴を休ませ、乾燥させるようにしましょう。
また靴を脱いだ後、すぐに靴箱にしまうのもNGです。靴箱も密閉空間のため、靴の中の湿度を下げることができなくなってしまいます。湿度が70%を超えた状態では雑菌が繁殖しやすくなりますので、しばらく靴の内部を換気させましょう。
毎日同じ靴を履いてしまいがちですが、そういった事を踏まえると普段遣いの靴は複数あると嬉しいですね。ニオイ対策にもなり、足元のおしゃれも日替わりで楽しめます。また、ローテーションで靴を履くことでそれぞれの靴を長持ちさせることもできますのでオススメです。
靴の干し方のポイント
干す場所は、風通しの良い日陰がオススメです。天日干しをすると太陽光で雑菌も死滅させられますが、同時に靴の繊維も傷つけてしまう可能性があります。
干し方は靴を寝かせて置くのではなく、立てかけることによって靴の内部の湿気を効果的に逃がすことができます。靴の向きについては、つま先を上向きにしたほうが乾くのは早いですが型崩れしやすいため注意しましょう。
最近では、靴を干すハンガーも販売されていますね。お気に入りの靴を快適に履き続けるためにハンガーを工夫するのもよいかもしれません。
靴を干す前にひと手間かけて臭いを抑制
靴を干す前に、防臭・抗菌スプレーを吹きかけることで臭い対策につながります。臭い対策というと消臭スプレーが一般的ですが、靴の臭いを抑制するという目的では防臭・抗菌スプレーがオススメです。
ここで消臭と防臭の違いについてご紹介します。
消臭とは、発生した臭い分子を無臭化するものです。そのため、臭いがすでに発生しているときに使用すると効果的です。
防臭は臭い分子を生み出す雑菌にアプローチすることで、臭い分子が発生することを抑制するものです。防臭・抗菌スプレーは、臭いが発生する前に使用すると効果的です。
防臭スプレーはその働きから抗菌作用がセットになっていることが多く、雑菌が繁殖しにくい状態を保ってくれる作用もあります。臭い対策だけでなく、靴内部を清潔に保ってくれるという点からもオススメです。
そのため、臭いが発生しないための対策としては、靴を履く前に防臭・抗菌スプレーを吹きかけることが有効といえます。
特に、ランニングシューズやスパイクなどの運動靴は、大量に発汗することからどうしても臭いが発生しやすいですが、運動後に防臭・抗菌スプレーをしっかり靴の繊維に吹きかけてから風通しの良い場所で干しておくことで、臭いの抑制が期待できます。
同じ原理で部屋干しの臭い対策についても別のコラムでご紹介していますので、気になる方はご覧ください。
→「【まとめ】部屋干しのニオイを予防する方法」
足を清潔に保つ効果的な対策グッズ
クリームタイプ
クリームタイプの多くは、朝出かける前などの清潔な状態の足に塗ることで、汗や雑菌を抑制し、臭いの発生を対策します。
- メリット:肌に直接塗ることにより配合成分が浸透しやすい
- デメリット:素足に塗るため、使いたいと思ったときにすぐ使用することが難しい
スプレータイプ
スプレータイプは、香り付きのものも多くあるため、臭いが発生してしまったときにも使用が可能です。
- メリット: 外出中でもすぐに使える
- デメリット:足指の間など、噴射範囲にムラができやすい
石鹸タイプ
石鹸タイプは、お風呂で使用することで、皮脂や垢・雑菌を効果的に洗浄し、臭いの発生を対策します。
- メリット:丁寧に洗うことで、足全体をくまなく清潔にできる
- デメリット:使いたいと思ったときにすぐに使用することが難しい
靴は日頃のケアが大事
スプレータイプ
先ほどご紹介しましたが、靴を干した後に防臭効果のあるスプレーを吹きかけることで、雑菌の繁殖を抑制し、臭い対策につながります。
安定型次亜塩素酸という除菌成分には除菌+防臭の効果があり、そのひとつにナノクロシステムが販売する「i-cloco」があります。効果や安全性が気になる方は以下のリンクよりご覧ください。
→コラム「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」へ
→「i-cloco」を販売しているナノクロシステムのブランドサイトへ
靴や靴箱の除菌・消臭に
靴や靴箱にも雑菌が繁殖してしまうケースがあります。特に、靴箱は密閉されている時間が長く、雑菌や臭いがこもりやすくなってしまいますよね。そこで、靴と靴箱の除菌・消臭にオススメなのが、空間除菌製品です。
二酸化塩素を主成分とした「エア・アンチウイルス」という製品は空間除菌とモノに付着した菌も除菌できるため、靴と靴箱の臭い対策にもオススメです。気になる方は以下のリンクよりご覧ください。
→コラム「除菌成分の二酸化塩素の効果は?メリットやデメリットなどまとめました」へ
→「エア・アンチウイルス」を販売しているナノクロシステムのブランドサイトへ
よくある質問
足の臭いはつま先とかかとのどちらの方が強いですか?
つま先のほうが臭いが強くなりやすい傾向にあります。足指や指の付け根などは通気性が悪く、雑菌が繁殖しやすいためです。
夏と冬だとどちらが足の臭いが目立ちますか?
どちらも臭いは発生しやすいですが、場合によっては冬のほうが目立ちます。夏は暑さや高湿度により汗をかきやすいため、臭いの原因につながります。ただし、サンダルなど通気性がよい履物にすることであまり気にならないことも。一方で冬は、暖房が聞いた室内に通気性の悪い厚手の靴下や革靴・ブーツなどで過ごすことで雑菌が繁殖しやすく、臭いが目立ちやすくなります。
家の中では靴下は履かない方が良いのですか?
通気性が良い分、はだしのほうが臭いの発生にはつながりにくいでしょう。ただし、帰宅後の菌が付着した状態の足で家の中を歩き回ると、さまざまな場所に菌が付着してしまいます。帰宅後、まず足をキレイにすることが大切です。なお、スリッパを使用する場合には、スリッパに足の菌が付着することもありますので、適度に洗濯するなどして清潔に保ちましょう。
まとめ
今回のコラムでは、汚れや雑菌により臭いが発生する場合についてご紹介しましたが、実は、体臭の裏には病気が隠れている場合があります。もし、ご紹介した対策を行っても改善しない場合などは自己判断せずに病院で受診してもらいましょう。
なかなか相談しにくいデリケートな問題である足の臭い。足も靴もキレイにして、快適快足な毎日を送りましょう!