毎日の料理のあとのお皿洗いに必ず使用する台所スポンジ。
お皿や調理器具を洗うモノのため、常に清潔であってほしいですよね。
しかし、スポンジは雑菌の温床になりやすいというデータが出ています。また、除菌としてよく用いられる方法の中にはスポンジの除菌には向かない方法もあるのです。
本コラムでは、台所スポンジに潜む菌やその原因、正しい除菌方法についてご紹介します。
家の中で、雑菌の数が多い場所は『キッチン』
あなたは家の中でどこが最も雑菌が多いかご存知でしょうか?
2016年の花王の検査によると、家の中で最も菌が多いのは「キッチン」だったそうです。詳細はこちらからご覧ください。
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キッチンや調理器具は食事の準備・準備に使用しますが、使用したあとはすぐにお皿や調理道具、シンクを洗って綺麗にしている方も多いはず。
調理器具やシンクを洗う台所スポンジは、キッチンの中でも特に雑菌が増えやすいモノのひとつと言えます。それでは、なぜ台所スポンジに菌が繁殖しやすいのかご紹介します。
菌が繁殖する3つの要素
そもそも、菌が繁殖するのに必要な3つの要素として「栄養」「水分」「温度」があります。
栄養
菌にとっての栄養とは、食べカス、油、繊維、汚れ、皮脂などさまざまなモノをエサにしています。
水分
菌は水分がある場所を好みます。
食中毒を引き起こす菌の中には湿度70%以上になると繁殖が活発になる種類もあるため、厚生労働省の『大量調理施設衛生管理マニュアル』によると、調理場の湿度は80%以下にすることが望ましいとされています。
温度
菌は、人も過ごしやすいと感じる20℃以上の気温になると繁殖が活発になります。
中でも食中毒を引き起こす大腸菌O-157、カンピロバクター菌、サルモネラ菌などは、ヒトの体温と同じくらいの温度になると特に増殖しやすくなるため、夏は注意が必要です。
これら3つの条件が揃うと、菌が繁殖しやすくなります。それでは、なぜ台所スポンジは菌が繁殖しやすいモノになるのかご紹介します。
台所スポンジに菌が繁殖しやすい理由
① 毎日、何度も使用する
台所スポンジは調理後にのみならず、飲み物を飲んだ後のコップやお菓子を食べた後のお皿など、洗い物が出る度に使用します。
そのため、1日を通して常に湿った状態であることが多いため、菌が繁殖しやすいと言えます。
② 食材を調理した調理器具やお皿などを洗う
調理器具やお皿などに付着した食べカスや汚れなどを洗うのが台所スポンジの役割です。そのため、繊維の中に小さな食べカスが残ってしまうことも。
そのまま放置してしまうと、菌にエサを与えていることになってしまい、繁殖につながってしまいます。
③ 台所スポンジの隙間から菌が繁殖する
吸水性や泡立ちなどの機能面から、台所スポンジの繊維には隙間があることが一般的です。
この繊維の隙間に食べカスや汚れが溜まってしまうことで、台所スポンジの中にも菌が繁殖しやすいと言えます。
また、台所スポンジが欠けてしまったり、ほつれてしまったりすると、その凹凸は菌が住むのに適した場所になってしまいます。
台所スポンジを除菌した方がいい理由
台所スポンジの除菌をオススメする理由はとてもシンプルです。
それは、台所スポンジを使用して他の調理器具やお皿などを洗うからです。
例えば、床の水掃除をするのに汚れた雑巾で拭こうとは思わないのではないでしょうか。
台所スポンジの場合には、調理器具やお皿など、直接食材に触れるモノであるため、より衛生面に注意した使った方が良いと言えます。
それでは、台所スポンジの除菌方法についてご紹介します。
台所スポンジの正しい除菌方法
一般的な台所スポンジは、軟質ウレタンファーム(ポリウレタンの一種)や不織布などの素材からできています。
この軟質ウレタンファームを使用したスポンジは、除菌方法によっては傷んでしまったり、変色してしまったりすることがありますので、以下の除菌方法を行ってください。
1日の終わりに!台所スポンジの除菌方法
【準備物】
- 台所スポンジ
- 耐熱容器
- 75~90℃のお湯が入ったやかんや電気ケトルなど
【手順】
- やかんなどでお湯を沸騰させる
- 耐熱容器に台所スポンジを入れる
- お湯を台所スポンジ全体にゆっくりとかける
- そのまま1分~3分程度さらす
- すぐに水で冷ます
- 水気を切って風通しの良い場所で乾燥させる
【補足事項】
75~90℃のお湯の目安としては、やかんなどの底にできた水泡が、パチパチと音を立てながら水面に上がってきている状態です。
100℃で沸騰しますので、その一歩手前の状態を
イメージして沸かすとよいでしょう。
また、お湯は10分以上経過すると20~30℃は下がってしまう可能性がありますので、お湯を浸したまま放置してしまわないようにしてください。
※室内環境などによって異なるため、ひとつの目安としてお考えください。
毎回の使用後に!台所スポンジのお手入れ方法
【準備物】
- 除菌スプレー
- スポンジ
【手順】
- 台所スポンジについた洗剤をよくゆすぎ、しっかり絞って水気を取る
- 除菌スプレーを全体によく吹きかける
- 風通しの良い場所で乾燥させる
- 使用前によくゆすぐ
毎回の使用後にお湯に浸して除菌をするのは大変ですよね。
そこで、1日の終わりの熱湯除菌とともに毎回の使用後には除菌スプレーを使って除菌することをオススメします。この方法ではスプレーを吹きかけるだけなのでとても手軽です。
もちろん、台所スポンジの内部まで除菌成分を行き渡らせることは難しいですが、調理後の調理器具やお皿などに直接面していた部分を除菌することができます。
また、調理器具やお皿などを洗う台所スポンジの除菌には、安全なモノを使用したいと考える方も多いのではないでしょうか。
オススメなのが安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用した除菌スプレーです。
安定型次亜塩素酸ナトリウムとは、強力な除菌効果をもつ次亜塩素酸ナトリウムのデメリットである安全性や腐食作用、漂白作用などを解決するために開発された新しい成分です。
ウイルス・菌・カビの除菌への有効性や安全性を兼ね備えた成分であることから、除菌スプレーの除菌成分として使用されることが増えてきています。台所スポンジやまな板や包丁への除菌にも使用ができますし、それ以外にもキッチンのシンク、食卓、エコバッグなど幅広く除菌することが可能です。
安定型次亜塩素酸ナトリウムについてより詳しく知りたいという方は別のコラムで紹介していますので、よかったらご覧ください。
→「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」
安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用しているオススメの除菌スプレーは、ナノクロシステム株式会社が販売している「i-cloco(イークロコ)」です。なぜオススメなのかご紹介します。
i-clocoについて
i-clocoの強み
- 赤ちゃんやペットがいるご家庭にも使える100%食品添加物由来の除菌成分を配合
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2020/12/25発売:『anan』2231号
2020/11/25発行:『Poco’ce』12月号
「i-cloco(イークロコ)」が気になる方は以下のリンクからご覧ください。
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また、台所スポンジだけでなく、一緒にまな板や包丁も除菌することがオススメです。詳細は別のコラムで紹介していますので、良かったらご覧ください。
→「ご家庭のキッチンやまな板、正しい方法で除菌できていますか?」
実はNG!台所スポンジ除菌でやってはいけない方法
熱湯での煮沸消毒
軟質ウレタンファームを使用した台所スポンジの多くは、耐熱温度が90℃までです。
そのため、100℃の沸騰した熱湯での煮沸消毒を行うと、スポンジの繊維が傷んでしまう可能性があります。
漂白剤に浸けて除菌
軟質ウレタンファームを使用した台所スポンジは、一般的に漂白剤に浸けて除菌しないように注意喚起されています。漂白剤は除菌力が強く、台所スポンジの繊維を劣化させてしまう恐れがあるためです。特に、塩素気漂白剤は使用しないでください。
天日干しによる除菌
布団などを天日干しすると除菌効果がある場合もありますが、台所スポンジの場合は、紫外線によって台所スポンジの繊維が変色してしまう可能性があります。そのため、風通しの良い日陰で干すのが良いでしょう。
これらの方法で除菌を行うと、スポンジを痛めてしまう可能性があります。正しい方法で除菌しましょう。
参考:日本ウレタン工業協会「Q&A」
台所スポンジの置く場所も重要!もっと清潔に
あなたはどのようにしてスポンジを置いていますか?
スポンジ置きに置いたり、ピンチで吊るしたり、ラックなどに掛けたりするタイプなどとさまざまな置き方があります。
今回は、台所スポンジを清潔に保つという点からみたときに、スポンジ置きを選ぶ上で参考にしていただきたいポイントについてご紹介します。
台所スポンジ単独のスポンジ置きかどうか
シンクは、調理器具やお皿などを洗う場所のため、広く使用したい方が多いのではないでしょうか?
そのために、洗剤など他のものも一緒に収納できるタイプのスポンジ置きをよく見かけます。とても合理的で使いやすくはありますが、衛生面で言うとあまりオススメできません。というのも、他のモノが収納できるタイプの場合、比較的サイズが大きめになり、仕切りなどがついていたり、凹凸が増えたりするために汚れが溜まりやすい傾向にあると言えます。
そのため、衛生面から考えると、スポンジや洗剤は別々に置けるタイプの方がオススメです。
通気性はどうか
スポンジ置きを選ぶ際に気にしていただきたいのは、通気性の良さです。
台所スポンジと、スポンジの接地面積が増えるほど通気性は悪くなります。また、台所スポンジから滴った水がきちんと排水される作りになっているのかも確認しましょう。
素材や設置方法はどうか
常に水分に触れるモノになるため、錆びにくいプラスチックやアルミ製やステンレス製のモノがよいでしょう。
また、スポンジ置きの設置方法は、吸盤タイプや水道に引っ掛けるタイプなどがあります。
吸盤タイプは、吸盤とシンクの間に汚れが溜まりやすいです。そのため、定期的な掃除が必要となりますが、掃除のたびに吸盤を装着し直す手間を考えると、引っ掛けるタイプの方が掃除はカンタンかもしれません。
以上、スポンジ置きを衛生面から選ぶ際のオススメポイントをご紹介しました。新しいスポンジ置きを購入する際には、参考にしてみてください。
台所スポンジに関するよくある質問
台所スポンジはどのくらいの頻度で交換したらいいですか?
2~3週間に一度、交換してください。台所スポンジは利用頻度が多いことや、また構造的にスポンジの内部に菌が入り込みやすいことなど、どうしても衛生的に保つことが難しいです。長くても1ヵ月を目安にすると良いでしょう。
2~3週間に一度の交換をもったいなく感じる方もいるかもしれませんが、排水溝、窓のサッシなどさまざまな場所の掃除に再利用することも可能です。
シンクの掃除用と調理器具やお皿を洗うスポンジは分けたほうがいいですか?
分けたほうが良いです。シンク周りはキッチンの中で菌が繁殖しやすい場所のひとつです。シンクの掃除用と調理器具やお皿などを洗うスポンジは使い分け、保管場所も離して置くようにしてください。
まとめ
台所スポンジに菌が繁殖する原因と対策をご紹介しました。
食中毒の心配が増える夏には、特に注意したい台所スポンジ。毎日使うモノだからこそ、しっかりと対策を行うことが大切です。
まずは、台所スポンジを使用後にしっかりと乾かすように意識して水を切るところから始めてみませんか?