食事を調理する場所であるキッチンは、衛生に最も気を付けたい場所のひとつです。実際に多くの方は日ごろから注意をされているのではないでしょうか。
しかし、目に見える汚れを落としても、すべての雑菌を取り除けているとは限りません。
そのため、本コラムでは、キッチンやまな板などに菌が潜む原因や正しい対策についてご紹介します。
キッチン周りは最も雑菌が多い?
あなたは家の中でどこが最も雑菌が多いかご存知でしょうか?
2016年の花王の検査によると、家の中で最も菌が多いのは「キッチン」だったそうです。詳細はこちらからご覧ください。
→花王「くらしの現場リポート」へ
キッチンや調理器具は食事の準備・準備に使用しますが、使用したあとはすぐにお皿や調理道具、シンクを洗って綺麗にしている方も多いはず。
それなのになぜ、キッチン周りは家の中で最も菌が多くなってしまうのでしょうか。まずは、まな板や包丁以外の雑菌が繁殖しやすい場所とその原因についてご紹介します。
注意!キッチン周りで雑菌が多い場所
シンク(排水口)
キッチン周りのなかでも、特にシンクや排水口は雑菌が繁殖しやすい場所です。
その理由は、常に水が残りやすいことが挙げられます。また、食材の残りカスや油なども残りやすいため、雑菌が繁殖しやすい環境になりやすいのです。
例えば、水道で、汚れた手で蛇口を触って水を出し、手を洗ったあとでまた蛇口を触ってしまうと手に汚れが付着してしまいます。洗面所なども同様のことが言えますが、シンクの場合、生ものを触った後などには特に注意が必要です。
冷蔵庫・ポット・電子レンジなどの家電
料理や食事以外にも日常的に使用する頻度が高い家電製品がありますよね。これらの家電も雑菌が多いものの1つです。
持ち手の部分を触っているときの手は清潔でしょうか。また、清潔であっても何度も使用しているうちに手垢やホコリが溜まってしまいます。
エコバッグ
最近は使用する機会が大幅に増えた方も多いエコバッグ。
お手持ちのエコバッグをきちんと掃除・除菌していますか?
ナイロン製や布製のものなど幅広いラインナップが市場で販売されています。手軽に持ち運べることから、バッグやリュックの中に常備されている方も増えてきました。
しかし、エコバッグも雑菌が潜んでいる可能性が高いアイテムです。
食材の買い物、ペットボトル、場合によっては服や文具などさまざまなモノをしまうことで、食べ物のカス、汚れ、雑菌などが付着している可能性があります。
以上、キッチン周りなどで雑菌が増えやすいにも関わらず、なかなか除菌の必要性を意識しにくい場所やアイテムを紹介しました。
このように、まな板や包丁以外でも除菌の必要性が高いものは意外と多いのです。なるべく除菌を心がけてみてください。
それでは、なぜまな板や包丁に雑菌が繁殖しやすいのか、原因ついてご紹介します。
食材が直接触れるまな板や包丁は要注意!
まな板や包丁に菌が繁殖する原因
主に、以下の3つが原因として考えられます。
毎日の調理に使用する
調理をするときにほぼ毎回まな板と包丁は使用します。
使用頻度が高いため、雑菌や汚れが付きやすいのです。
洗っていても、目に見えない雑菌を落としきれていない場合があります。
また、1日3回使用した場合には、使用する間隔が短いことから洗った後に乾燥しきらないまま使用することがあります。雑菌は水気を好むため、雑菌が繁殖しやすくなります。
生肉や魚の汚れや菌を落としきれていない
まな板や包丁は直接食材に触れるため、雑菌が付着しやすい調理器具です。
特に注意したいのが、生肉や魚の調理後です。
生肉や魚の菌には、人が取り込むことで食中毒になる恐れのある菌があります。例えば、O-157、カンピロバクター、ノロウイルスなどが挙げられます。
丁寧に洗うことがまずは大切ですが、後述する方法をプラスで除菌することがオススメです。
まな板は、包丁による傷から雑菌が繁殖する
毎日包丁で食材を切っていると、まな板には小さな傷ができます。
その傷の凹んだ部分に残りカスや水分などが溜まりやすく、雑菌が繁殖しやすい状況になります。
雑菌は、食材の残りカスや水分などのエサがある場所で繁殖します。まな板や包丁はその条件を満たしやすいために、使用後に食器用洗剤で洗うこと以外にも、定期的な除菌などでのお手入れが必要です。
それではまな板、包丁のオススメの除菌方法をご紹介します。ぜひ実践してキッチン周りを清潔に保ちましょう。
まな板の正しい除菌方法
まな板の除菌は、材質によって変わってきます。
ほとんどのまな板がプラスチック製か木製のため、お手持ちのまな板に合わせてご覧ください。
まず、それぞれの材質の衛生面から見たメリット・デメリットをご紹介します。
プラスチック製のまな板
メリット:傷がつきにくい、お手入れがカンタン
デメリット:食材のニオイや染みこんだ色がとれにくい
木製のまな板
メリット:熱湯での消毒ができる
デメリット:乾きにくい、傷がつきやすい、カビが生えやすい
もちろん、本来のまな板としての役割もあるため一概にどちらが良いとは言えませんが、衛生面からはプラスチック製のまな板の方が扱いやすいと言えるかもしれません。
プラスチック製まな板の除菌方法
プラスチック製のまな板は、製品によっては熱に弱い可能性があります。そのため、除菌には漂白剤か除菌スプレーを使用しましょう。
①食器用洗剤で洗う
まずは、まな板を食器用洗剤で洗います。表面に汚れがついていると、その後の除菌効果が低下する可能性があるため、しっかりと落としてください。
また、洗った後は流水で丁寧に流し、水気を拭き取りましょう。
②漂白剤か除菌スプレーを吹きかける
除菌をするのに漂白剤か除菌スプレーをまな板の両面にたっぷりと吹きかけます。どちらを使用する場合にも、まな板全体に満遍なく行き渡るようにしましょう。
このとき、まな板の下に布きんやキッチンペーパーなどを敷いておくことで、除菌成分が流れてしまうのを防ぎます。
除菌だけでなく、プラスチック製のまな板の黒ずみや黄ばみを漂白したい場合には、塩素系漂白剤を使用することがオススメです。
なお、漂白剤を使用する場合に以下の3点が注意点となります。
- 手袋やマスクを着用すること
- 他の薬品と混ぜないこと
- 換気をすること
③布きんやキッチンペーパーで除菌液を浸透させる
除菌成分がまな板の小さな傷の凹凸などにも浸透するように、布きんやキッチンペーパーで包み込んだら、そのまま30分ほど置いておきます。
④水でしっかりすすぐ
時間が経過したら、しっかりと流水ですすいでください。
漂白剤や除菌スプレーの成分が残ってしまわないように、丁寧に行いましょう。
⑤乾燥させる
最後に、乾燥させてください。
風通しの良い場所での自然乾燥がオススメです。
どうしても必要になって布で拭く場合には、清潔な布を使用してください。
木製まな板の除菌方法
木製まな板には漂白剤を使用しての除菌をすることができません。
また、木製の場合には、自然から加工された製品のため、注意点がいくつかありますのでご覧ください。
①食器用洗剤で洗う
まずは、まな板を食器用洗剤で洗います。表面に汚れがついていると、その後の除菌効果が低下する可能性があるため、しっかりと落としてください。
また、木製のまな板は傷がつきやすいため、スポンジだけでなくたわしを使用してその傷の中のゴミなどもかき出すイメージで行うとよりキレイに洗うことができます。
洗った後は流水で丁寧に流し、水気を拭き取りましょう。
②除菌スプレーか熱湯をかけて除菌する
除菌スプレーをかけて行う場合には、布きんやキッチンペーパーを敷いて、まな板の両面に満遍なく除菌液が行き渡るようにしてください。
熱湯をかけて除菌する場合には、シンクが熱湯で傷まないように容器に入れて行うなどして工夫しましょう。
③除菌スプレーの場合、布きんやキッチンペーパーで除菌液を浸透させる
除菌成分がまな板の小さな傷の凹凸などにも浸透するように、布きんやキッチンペーパーで包み込んだら、そのまま30分ほど置いておきます。
④除菌スプレーの場合、水でしっかりすすぐ
時間が経過したら、しっかりと流水ですすいでください。
漂白剤や除菌スプレーの成分が残ってしまわないように、丁寧に行いましょう。
⑤乾燥させる
最後に、乾燥させてください。
木製まな板の場合、直射日光が当たらない風通しの良い場所での自然乾燥がオススメです。水気が切れないとカビが生える原因にもなってしまいますので、しっかり乾燥させましょう。
どうしても布で拭く場合には、清潔な布を使用してください。
ご存知ですか?まな板には寿命があります
お手持ちのまな板はどれくらいの期間、使用していますか?
実は、まな板には寿命があります。
木製のまな板は5~7年、プラスチック製まな板は2年程度が目安です。ただし、お手入れの具合などによって寿命は変わってきます。
そのため、まな板は定期的に買い替える必要があります。買い替えるべきまな板の見極め方は、先程の使用年数とともに、以下の特徴が出ていないかどうかもチェックしましょう。
交換すべき、まな板の特徴
- 洗ってもニオイが取れない
- 黒住・カビが目立つ
- 形が歪んでいる・表面がすり減っている
このような特徴が出ている場合には、新しいまな板へ交換することをオススメします。
包丁の正しい除菌方法
普段から、より衛生的に包丁を使用するためには、食材ごとに包丁を分けることがオススメです。
特に生肉や生魚は細菌が付着している可能性があるため、他の食材の包丁とは分けて、定期的に除菌をしてください。食中毒などのリスクを軽減することにつながります。
包丁の除菌方法
包丁の除菌方法は、以下の3つがあります。
除菌をするときには、刃の部分だけでなく、柄の部分も行うようにしてください。
塩素系の漂白剤や除菌スプレーで除菌する
塩素系の漂白剤や除菌スプレーでの除菌は、食中毒のひとつであるノロウイルスをはじめとしたノンエンペローブウイルスにも除菌効果があります。
まな板の同様に布きんやキッチンペーパーに包んでつけ置きをしたあとに流水でよくすすぎましょう。
なお、漂白剤を使用する場合に以下の3点が注意点となります。
- 手袋やマスクを着用すること
- 他の薬品と混ぜないこと
- 換気をすること
アルコールで除菌する
アルコールでの除菌は、食中毒のひとつであるノロウイルスをはじめとしたノンエンペローブウイルスには除菌効果がありません。
除菌後にすすぐ手間がいらない分、手軽に行うことができます。除菌後、すぐに使用する場合には清潔な布などで一度拭き取ると良いでしょう。
熱湯で除菌する
熱湯での除菌は、煮沸消毒がオススメですが、85℃くらいのお湯に1分以上浸しておくことでも効果が期待できます。
まな板や包丁の除菌は毎日、できれば毎回の使用後に欠かさず行うことがオススメです。そのため、除菌の目的やかける手間や時間などに合わせて、いくつかの方法を併用して行うと良いでしょう。
キッチン周りの除菌に最適なグッズをご紹介!
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は、ウイルス・菌・カビへの除菌効果がある除菌成分のひとつです。刺激が少なく、肌に優しいことやニオイがほぼ無臭であることなど、人体への影響が少ないことがニーズにつながっています。
有効濃度の範囲が35ppm以上です。ただし、保存期間が短く、濃度が100ppm程度では製造から数日ほどで揮発し、効果が薄れてしまうのが一般的であるため、製品を選ぶ際は保存期間について確認するのが良いでしょう。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤に使用されている除菌成分は次亜塩素酸ナトリウムです。
次亜塩素酸ナトリウムの特徴としては強力な除菌作用をもつ反面、取り扱いに注意が必要な部分があります。そのため、ウイルス・菌・カビへの除菌効果が期待できます。
ただし、基本的にマスク・手袋の着用と換気を行うこと、また他の薬品と混ぜないように注意して取り扱ってください。
木製まな板への除菌は黒ずみや変色につながる可能性があるため、使用は避けるのが無難と言えます。
安定型次亜塩素酸ナトリウム
安定型次亜塩素酸ナトリウムは、強力な除菌効果をもつ次亜塩素酸ナトリウムのデメリットである安全性や腐食作用、漂白作用などを解決するために開発された新しい成分です。
ウイルス・菌・カビの除菌への有効性や安全性を兼ね備えた成分であることから、除菌スプレーの除菌成分として使用されることが増えてきています。まな板や包丁への除菌にも使用ができますし、それ以外にもキッチンのシンク、食卓、エコバッグなど幅広く除菌することが可能です。
安定型次亜塩素酸ナトリウムについてより詳しく知りたいという方は別のコラムで紹介していますので、よかったらご覧ください。
→「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」
安定型次亜塩素酸ナトリウムを使用しているオススメの除菌スプレーは、ナノクロシステム株式会社が販売している「i-cloco(イークロコ)」です。なぜオススメなのかご紹介します。
i-clocoについて
i-clocoの強み
①赤ちゃんやペットがいるご家庭にも使える100%食品添加物由来の除菌成分を配合
②生活空間に潜む99%ウイルス・菌・カビを除菌
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掲載実績も多数!
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2020/12/25発売:『anan』2231号
2020/11/25発行:『Poco’ce』12月号
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まな板・キッチン周りの除菌に関してよくある質問
キッチン周りはどのくらいの頻度で除菌が必要ですか?
まな板・スポンジ・ふきんは1日1回、最後に使用した後に除菌をすると良いでしょう。排水溝やスポンジ置きは週に1~2回は掃除と除菌を行うことがオススメです。なお、生肉や魚を調理したあとには、水道の蛇口やシンクなどに菌が付着している可能性があるため、毎回の調理後に除菌すると安心です。
まな板や包丁は使用後放置していても大丈夫ですか?
まな板や包丁は使用後にはすぐに洗う習慣をつけてください。放置してしまうと、その時間だけ菌が繁殖する可能性が高まります。
まな板を洗った後は乾燥させるのと乾拭きするのではどちらがいいですか?
風通しのよい場所で自然乾燥させるのがオススメです。まな板の素材によっては直射日光を当てると傷つく可能性があるため、直接日が当たらない場所が良いでしょう。乾拭きをすると、拭く布の繊維や布に付着している菌がまな板に付着する可能性があります。乾燥させる時間がなく、乾拭きをする場合には、清潔な布やキッチンペーパーなど繊維が抜けにくく、使い捨て出来るタイプのモノにしてください。
まとめ
キッチンやまな板や包丁の除菌についてご紹介しました。
キッチン周りは家の中でも雑菌が繁殖しやすい場所だということを意識しておくことが、丁寧な掃除や除菌につながります。清潔で気持ち良いだけでなく、自分や家族の健康を守るためにも、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。