今年も春が近づいてきましたね。
春になると、天気予報でも花粉の飛散情報が報道されますが、花粉はいつから飛散するのかご存じでしょうか。
実は、お住いの地域や花粉の種類によって飛散時期は異なってきます。より効果的に花粉対策を行うためには、お住いの地域の花粉の飛散時期を把握しておくことが大切です。
今回のコラムでは、さまざまな花粉のそれぞれのピークの飛散時期についてご紹介していきます。
花粉は通年飛散している?
花粉とは、おしべの袋の中にできる細かい粉のような細胞のことを言います。ほとんどの植物は花粉がないと種を残すことができません。
つまり、ほとんどの植物は種を残そうとするときには花粉を飛ばすため、四季に応じてさまざまな花粉が飛散しているのです。その中でわたしたちが花粉といえば春を想像するのは、春に花粉による症状を訴える人が多くいることが大きく関係しています。
1年を通してどんな花粉が飛散しているのか、代表的な花粉の種類についてご紹介します。
春に飛散する花粉
春に飛散する花粉の特徴は、樹木から花粉が多く飛散する点です。高さ十数mから飛散するため、飛散範囲が数十kmにも及ぶことで、樹木に近づいていなくても花粉の影響を受けやすくなります。
以下に、一般的に飛散開始時期が早いものから順に花粉の種類と特徴をまとめました。
夏~秋に飛散する花粉
夏~秋に飛散する花粉の特徴は、草本花粉が多いという点です。高さが低いことで、飛散距離は数十メートル程度しかありません。そのため、なるべくそれらの植物に近づかないように気をつけることができれば、花粉の影響をあまり受けずに済みます。
【地域別】花粉のピーク時期
花粉症発症率が低い地域は?
2019年、ウェザーニュースが花粉症について聞き取り調査を実施しました。スギ・ヒノキの花粉飛散が少ないとされる北海道と沖縄を除く全国を対象とした地域ごとに、どれくらいの人に花粉症の自覚症状があるのかというものです。
その結果、都道府県によって花粉症の自覚症状がある人の割合は、かなり分かれていることが判明しました。
■花粉症の割合
(県別ランキング)
1位 山梨 77%
2位 群馬 69%
3位 静岡 67%
4位 埼玉 65%
5位 東京 64%
→花粉症の自覚がある人の割合が多い地方:関東・東海地方
…
41位 富山 44%
42位 岩手 44%
43位 鳥取 36%
44位 鹿児島 35%
45位 青森 31%
→花粉症の自覚がある人の割合が少ない:東北・西日本
※北海道と沖縄を除く
なぜ、これほど花粉症の自覚について割合に偏りがあるのでしょうか。その要因のひとつとして、ウェザーニュースは次のように紹介しています。
ウェザーニュースが独自に全国に設置している花粉観測機「ポールンロボ」による観測に基づいて解析された、2010年〜2016年の花粉飛散の平均値を見てみると、関東西部や北部の山々を中心に、東北南部や関東南部、甲信、東海などで花粉の飛散数が特に多かったことが分かります。一方、中国四国地方や九州では、相対的に少ない傾向にあるようです。
他にも要因はあると考えられますが、スギ花粉の飛散量が多いエリアほど花粉症の自覚がある人が多いことが伺えます。
引用:ウェザーニュース「2人に1人が花粉症!? 最も発症しにくい県とは」
つまり、花粉の飛散量が多い地域ほど、花粉症発生の割合が多くなっているとのことです。この聞き取り調査の結果からも、花粉対策を取るうえで、花粉の飛散について把握しておくことが大切であることが分かります。
先ほど、一般的な花粉の飛散時期についてはご紹介しましたが、みなさんはお住まいの地域の花粉の飛散についてどれくらい把握していますか。地域ごとの特徴があるのかご紹介しますので、お住まいの地域の花粉についてぜひ理解を深めましょう。
地域ごとの花粉飛散量の特徴
今回は北海道・東北地方・関東地方・東海地方・関西地方・九州地方と6つに地域を分けてご紹介していきます。
まず、地域別に分けた春の代表的な花粉の飛散時期がこちらです。
春に飛散する花粉としてご紹介しましたが、スギ花粉に関してはわずかではありますが秋から冬にかけて飛散している地域もあります。特に関東地方は1年のほとんどをスギ花粉が飛散していますから、花粉症にお悩みの方が多いのも理解できますね。
次に、地域別に分けた夏~秋の代表的な花粉の飛散時期がこちらです。
東北地方から関東地方に飛散が多くなっている傾向があります。また、オオアワガエリやカモガヤといったイネ科の植物は、飛散量は少なめでもほとんど年中飛散している地域もあるため、生活空間のすぐそばにこれらの植物がある場合には注意が必要といえます。
引用元:花粉症環境保健 マニュアル 2019 – 環境省より一部改変
花粉の飛散量は条件によって変化します
花粉飛散量は天気も影響!多くなる気象条件とは
花粉は植物が種を残すために必要なものですので、より遠くまで風に乗って飛んでいけるときに飛散量が多くなります。その条件を満たす気象が以下の3つといわれていますので、天候にも注意して過ごすようにしましょう。
- ・晴れて、気温が高い日
- ・空気が乾燥して、風が強い日
- ・雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあと
時間帯で飛散量が違う?!1日の花粉のピークは何時?
花粉の飛散量は時間帯によっても異なります。花粉症の代表ともいえるスギ花粉が多くなる時間帯は、一般的には昼前後と日没後に多くなっています。その理由は以下のように考えられています。
昼前後:午前中にスギ林から飛び出した花粉が数時間後に都市部に到達するため
日没後:上空に上がった花粉が日没後に地上に落下してくるため
洗濯や換気、買い物などを行うときには、天候や時間帯をうまく選ぶようにしましょう。
2021年花粉飛散予測
2021年の春の花粉はいつごろから飛散するのでしょうか。
毎年、12月ごろには春の花粉予報が発表されていますので、チェックしてみてください。
2021年の花粉の特徴は以下のとおりです。
【スギ花粉の飛散時期】
東日本・北日本:平年よりも6日前 後早くなる見込み
西日本:平年並みかやや早い見込み
【スギ花粉の飛散量】
近畿地方、四国・九州の一部
→2020年よりやや少なくなる見込み
東北南部~関東・東海地方
→2020年の2倍から4倍の見込み
上記以外の地域
→2020年の1.2倍から2.8倍になる見込み
ただし、例年に比べると同じか例年より少ないことが予想されます。
引用元:沢井製薬株式会社「2021年スギ・ヒノキ花粉全国飛散予測(2020年11月作成)」
はやめの花粉対策が重要!
現在でもすでに花粉によるくしゃみや鼻水、目のかゆみなど感じている方も多いのではないでしょうか。花粉といえば春、という印象ですが先ほどの花粉前線予想をみても、2月から花粉は飛ぶ傾向にあることがわかります。快適に過ごすためには早めの対策が一番です。
外出時の対策
マスクを着用する
マスクを着用することで、吸い込む花粉を約15%~60%に軽減する効果が期待できます。衛生的に使い捨てタイプのものがおススメです。
マスクを選ぶうえでの注意点は、顔とマスクの間に隙間があると効果が低下してしまうため、顔に合ったサイズのものを選ぶようにしましょう。また、マスクの内側にガーゼを当てることで、どんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示した結果も発表されています。
引用元:環境省「花粉症マニュアル2019年改訂マニュアル」
眼鏡をかける
目から侵入する花粉を軽減する効果が期待できます。花粉の防御カバーのついたものも販売されています。
長時間着用する場合もあるため、サイズやかけ心地なども考慮して選ぶようにしましょう。ふだんコンタクトを装着されている方も、目に刺激を与える可能性があるため、飛散ピーク時期だけでも眼鏡に変えることがオススメです。
花粉が付きにくい服装(生地)を選ぶ
服の繊維によって、花粉の付着しやすさが異なります。花粉が付きやすい生地の順番に並べてみましたので、参考にしてみてください。ただし、同じ繊維でも織り方や使用用途によって付着の程度が異なる場合があるため、綿だからまったく付着しないということではないので注意しましょう。
引用元:環境省「花粉症マニュアル2019年改訂マニュアル」
室内での対策
空気を乾燥させない
花粉が飛散する気象条件のひとつに「空気が乾燥して、風が強い日」があるとご紹介しました。空気が乾燥していると、室内に入り込んだ花粉が空中に浮遊し続けやすくなります。
そのため、加湿器などを利用して加湿することがオススメです。空気中の水分と花粉が結びついて重くなることで、床に落下しやすくなります。
掃除は「拭き」スタイルを!
室内へ流入してしまった花粉を取り除くには、こまめな掃除が必要です。掃除というと掃除機をイメージしやすいですが、花粉は掃除機をかけると部屋中に舞い上がり、空気中に浮遊してしまいます。そして掃除機をかけ終わったあとに床に落ちるため吸い取りきれないことがあります。
先ほどご紹介したようにまずは掃除の前には湿度を上げ、花粉を床に落下させてから、拭き掃除を行うことで効率的に花粉を取り除くことができます。そのあとに掃除機をかけるようにしましょう。
なお、使い捨てタイプのシートや布を利用し、掃除のたびに新しいものを利用することがオススメです。
花粉対策グッズもうまく活用する
現在、様々な花粉対策グッズが販売されていますので、日々の対策に加えて活用することで辛い花粉シーズンを乗り切りましょう。
ただし、花粉対策グッズを使用することで花粉を100%除去できるものではありませんのでご注意ください。今回は、第三者機関による花粉の実証実験を行っているアイテムをご紹介します。
ナノクロシステムが販売するi-cloco(イークロコ)は安定型次亜塩素酸ナトリウムを成分とした除菌スプレーです。雑誌ananやひよこクラブでも掲載される等、注目されてきています。
→「安定型次亜塩素酸ナトリウムの効果は?安全性や使い方について」
このi-cloco(イークロコ)がなぜ花粉対策に効果的なのかというと実験環境下ではありますが、「スギ花粉やダニの死骸などのアレルゲンに対して、99.4%以上の不活性化」を確認しているからです。i-clocoについて気になる方は以下のリンクよりご覧ください。
→「i-cloco」を販売しているナノクロシステムのブランドサイトはこちら
よくある質問
花粉の飛散量は毎年違うの?
毎年異なります。スギ花粉の飛散量は、花粉を形成する雄花の数によって左右されるため、雄花・花粉が形成される夏~秋に晴れれば晴れるほど、次の年の春に花粉が飛散されます。
花粉のピークが終わったら対策の必要はなくなりますか?
花粉のピークは過ぎても、通年花粉は飛散しています。春・夏・秋と異なる種類の 植物の花粉があり、重複して花粉症を発症してしまう可能性があります。ピーク時と同様の対策を常に行うことは難しいかもしれませんので、花粉の特徴を把握したうえでできる対策は行うようにしましょう。
花粉対策は室内でも必要なのですか?
必要です。室内にも花粉は侵入するためです。窓やドアの開閉を行ったときや、洋服やバッグなど身につける物にも花粉は付着することで帰宅時にも室内に花粉は侵入しています
まとめ
花粉の飛散量についてご紹介しました。
お住いの花粉の飛散時期や花粉の種類を把握することで、はやめに花粉対策をとることができますね。四季折々の景色を楽しめるように、できることから花粉対策を始めてみませんか。